展示会・企画展  1、企画展・レクチュアー・コンサート20年の流れ。
2、企画展の内容
3、美術館、科学館、博物館、水族館、子供館での企画
4、モリシゲさんちの民族楽器

   民族音楽センターでは、1980年代から民族音楽、民族楽器の展示会、の企画を様々な主催者様、企画会社様と一緒に作って来ました。

 1、企画展・レクチュアー・コンサート20年の流れ
   1981年9月に浜松西武百貨店にてシルクロード展が行われ、民族楽器の展示とレクチュアー・コンサートを担当しました。 1983年池袋西武百貨店アートフォーラムの「世界の民族音楽展」では、当時所有のアジア民族楽器数100点と数100枚の民族音楽のLPレコードジャケットを展示し、数回のミニ・ライブやレコード、書籍、簡単な民族楽器の販売も行いました。エスニック・ブームに先駆けた画期的な展示会だったと思われます。



1983年6月は船橋西武百貨店にて「シルクロード展」、8月は横浜松坂屋にて「インド展」1984年11月は春日井西武百貨店で「インド展」が行われ、いずれも民族楽器の展示とレクチャー・コンサートを行いました。1985年8月には池袋西武百貨店アートフォーラムで行われた「小泉文夫民族音楽展」に全面協力し楽器の展示、販売からレクチュアー・コンサートを承りました。1986年5月には六本木WAVEにて天然素材に着目した「インド音楽と楽器展」を行い展示コンセプトから民族楽器展示、レクチュアー・コンサートを担当しました。

これらの企画展は、ワールド・ミュージック・ブームの直前に当時先見の目が素晴らしかった西武百貨店さんと協力して流行に先駆けて行った画期的な企画で、これによってブームに少なからずの良い影響を与えたと自負します。


 

1988年の東急たまぷらーざSC、西武百貨店(所沢、三軒茶屋、渋谷)での「民族音楽展」は、ワールド・ミュージック・ブームを受けて民族音楽にテーマを絞ったものでした。当時は未だ民族楽器を直接手にする人は少なかった所に安価な民族楽器を展示即売したことは画期的であったと思われます。
  この後、各地の民芸品店でも普通に民族楽器が売られる様になり民芸品店が民族楽器コーナーも設ける様な時代となって今日の民族楽器が一般的に遊ばれる時代につながるのです。この流れには東急グループさんなども参入し、1989年には渋谷東急プラザ、大丸東京駅店さんでも長期間の展示即売会を行いました。物産展はありませんでしたが、横浜ルミネさんでも年数回演奏会を行いました。


  1990年代に入ると音楽の流行に敏感な若者にとってワールド・ミュージックは当たり前の時代となり、世界各地から民族音楽演奏家が来日しコンサートを派手に繰り広げるようになりました.民族音楽が一般の親しむ者になり真贋を見分ける目、心が育つならば嬉しい限りと期待しましたが、ひとつには単なる流行、有る面では現地の非伝統的な若者音楽がもてはやされ、一部では逆にマニアックな希少音楽が好まれるなど、むしろ逆の方向に進んで行った感じも否めません。百貨店等はバブル景気の絶頂に達し、自然素材で人肌の民族的な商品から高級ブランド商品にテーマを変えながらバブル崩壊を迎え、文化的なリーダーシップを取る事が無くなって行きました。そのような流れの中で民族音楽センターの活動は展示会中心の活動を離れ、各地の小学校や公民館、地方の百貨店、イベント、各地の大学学園祭といった一般により接近したところで民族音楽を紹介するようになりました。そして20世紀の終わりとともに日本の高度成長期も終わり、若者文化も多様化と言えば聞こえが良いですが、流れも目的も夢も無い中ダラダラ、ゴチャゴチャなものに変化して行きました。

 

1990年代の後半に行われた幾つかの植物館、水族館での展示会、演奏会は2000年代の新たな展開の兆しとなりました。1994年には夢の島植物館で「竹」「瓢箪」「椰子の実」素材の世界の民族楽器を100点以上展示し、子供達に竹楽器を作る講習会と演奏会を提供しました。
 1995年9月には板橋熱帯植物館で植物館と姉妹関係にあるマレーシア植物館にちなんだマレーシア展に合わせマレーシア民族音楽展を展開しました。
1995年の12月には池袋サンシャイン水族館で展示はありませんでしたが民族音楽のライブを、1996年の1月には飯田橋の地中海美術館でギリシア音楽ライブを行いました。1996年には柏市寺島文化会館、有楽町交通会館で民族音楽ライブを展開しました。
1998年7月には群馬県富岡市美術館で行われたハイチ近代絵画展でハイチ民族音楽とポピュラー・ミュージックを演奏しました。
 1990年代の小回りの利いた活動は、やがて訪れた不景気の時代にも通用する新たな展開で、展示会以外の形でも音楽専門ホール以外の美術館、博物館、水族館や文化会館、公民館、学校で様々な規模で民族音楽演奏会が出来ることを証明しました。願わくばこれにパネルによる現地風俗の展示や民族衣装や小物民芸品の展示なども加わればより一層世界の国々が身近に感じてもらえたのではないかと思われます。

  2、民族音楽関連の企画展の基本アイディアと新しいアイディア

  生活と音楽    世界の民族音楽と人々の暮らし
  1996年9月に板橋熱帯植物館で行いました、民族音楽センター企画・構成の「アジアの台所展」を発展させたもので世界各地の伝統的な台所風景、調理器具、調味料、食品を、伝統的なものと近代のラベルの面白いものを展示します。一方で民族衣装やパネルを展示し、幼児をあやす道具や揺りかご、伝統的な子供の玩具、そして居間に民族楽器を展示し、民族音楽のB.G.Mを流し、展示期間中数回のコンサートを行うものです。世界中からアフリカ、南米、シルクロード、オリエント、アジアなどと地域を限定したり、幾つかの国を限定することも可能です。

  自然と音楽     世界の民族音楽と自然
 

若林忠宏の趣味でありライフワークである世界の昆虫飼育と生き物好きに半生を費やして来た民族音楽のドッキングです。会場には各地の植物が展示され、鳥の声、虫の声のB.G.Mが流れる中、民族楽器の素材が点在し、民族楽器が展示されるというもので、既に民族音楽センターがここ数年掛けて集めました各地の森の音、若林忠宏が飼育しています昆虫、2000点を超える民族楽器が揃えられるのは他の方々では難しいことと思いますし、コーディネイトが同じブレインで出来る事も強みです。民族楽器は素朴なものが多くなるので、親子や孫と共に手作りしたり、それを用いた演奏会があっても楽しいと思われます。種類によって鳴き方が異なるコオロギを展示会場で生きた声を聞いて頂くため、現在卵の冷蔵仮眠法,冬期の飼育法を確立しつつあります。2004年にコオロギ類の大量羽化に成功しました。羽根を擦り合わせて音を出す仕組みなども模型を用いて紹介出来ると面白いと思います。また風や水で鳴る音具の展示も考えられます。


  科学と音楽   楽器の音の出る仕組み
   弦楽器、管楽器、打楽器、太鼓とそれぞれの音の出る仕組みを、直接触る事の出来る様々な模型を用いて体験して貰います。その原理が様々な民族楽器を経て身近な洋楽器になる過程を見せて楽器の仕組みや科学を学びます。また楽器作り教室も併催出来ます。これも世界中の民族楽器をメンテナンスしたり自作してきた若林忠宏だから出来る企画です。豊富なメンテナンス知識と作りかけ楽器、直し中楽器を上手く活用し製作過程も見せる事が出来ます。

  楽器の歴史・起源   西洋楽器、近代楽器が生まれる迄
  上記の科学と音楽を応用させて、身近なギター、三味線、マンドリン、ヴァイオリン、ピアノ、オーボエ、クラリネット、サックスの起源から変遷を、民族楽器を並べて一目瞭然に見せるものです。リードや弦の素材も見せて楽器の原点から、楽器を開発して来た叡智について学んでもらうものです。

  3、美術館・科学館・博物館・水族館・子供館での企画

  美術館では1998年の群馬県富岡美術館でのハイチ絵画展に合わせたハイチ音楽演奏のように、開催される展覧会の内容に合わせて、民族楽器と民族衣装、レコードなどをちょっとしたコーナーに展示するだけで展示物の国の人々の心意気や暮らしぶりがぐっと身近に感じられると思います。また古代インド、古代ギリシア、古代アステカの楽器の復元と演奏には世界的に先駆けた実績があります。

  科学館では、上記の「楽器の音が出るしくみ」を始め、古代エジプトの復元楽器をエジプトやピラミッドをテーマにした企画展に、古代ギリシアや古代ペルシア、古代インドの叡智を探る企画展において古楽器の展示によって企画展の雰囲気を盛り上げます。たとえば古代ペルシアでは古代ギリシアの影響を受けて楽器は当時信じられていた「万物の四元素」に因み....などなどです。

  博物館では、上記の「自然と音楽」の他に、「狩猟と音楽」「農耕と音楽」「宗教と音楽」などのテーマで展示を企画する事が出来ます。

  水族館では「太平洋の音楽」「インド洋の音楽」「北欧の音楽」などのテーマや「魚の歌」「漁師の歌」などのテーマによって海と人間の関わりを民族音楽的に表現する事が可能です。

  子供館では、上記の「自然と音楽」で昆虫や動物と音楽の関わりや、「科学と音楽」のような音の科学を分かり易く見せる事が可能です。また太鼓や竹楽器などを実際に手に触れる機会を沢山設けて想い出に残る内容を演出します。


  4、モリシゲさんちの民族楽器
 

 1999年1月若林忠宏は東京12チャンネルのドキュメンタリー番組「ナビゲータ−99」に取り上げられ、吉祥寺の教室から小学校での講演、ギリシア大使も訪れたエーゲ海学会での演奏などが30分番組でたっぷり放送されました。それを偶然ご覧下さった大俳優森繁久彌氏のご子息が早速ご連絡を下さり、亡きお母様が世界中を旅行されて収集した民族衣装や民芸品の中から民族楽器を若林忠宏に受け取って貰って末永く活用して欲しいという、誠にありがたい申し出を受けました。その結果、世界各地の30点程の民族楽器をお預かりすることとなり、全てをメンテナンスの上、何時でも演奏出来る状態に致しました。2002年には故森繁杏子さんの13回忌の席上で久彌さん、ご親族のご清聴の中で、初お披露目演奏も致しました。それらの楽器につきましては、「モリシゲさんちの民族楽器」という本を書き上げましたが、まだ出版社は決まっていません。
 同著は、それらの楽器とその音楽についての他、モリシゲ夫人の旅行地域と、まだ日本人が自由に海外旅行出来なかった時代背景、古き良き時代の各地のたたずまいに触れて、ロマン溢れる旅の時代を描いています。今日、情報化時代に於いて世界は狭くなったようでいて、正しい理解、深い理解は乏しく、カタログを観るかのごとくの浅い付き合い方で、その時代(丁度兼高かおるさんのTV番組が人気だった昭和30〜40年代)のロマンは忘れ去られた感じです。
 展示会は著書のテーマにそって、そのロマンや時代背景が伝わる様な形で展開されることを希望します。


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